IT'S ONLY ROCK'N ROLL  
9/16 横浜BLITZ
THE BACK HORN × サンボマスター
 

HOT STUFF PROMOTIONの設立30周年を記念するイベント、『HOT STUFF PROMOTION 30th ANNIVERSARY』。9月16日、その第3弾となる「IT'S ONLY ROCK'N ROLL」が横浜BLITZにて開催された。 この夜行われた第3弾「IT'S ONLY ROCK'N ROLL」ではTHE BACK HORN、サンボマスターが登場。当代きってのライブ・バンドとして名を馳せる2組のロックンロール・バンドは、秋の気配も忍び寄り始めた横浜の夜を再び夏へと寄り戻させるような、熱くパワフルなライブを展開してくれた。

先攻を務めたサンボは、熱い前口上もそこそこに、アッパーなパンク・アンセム「青春狂騒曲」で音の緞帳を上げ、まるで生き急ぐかのように「歌声よおこれ」「美しき人間の日々」「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」などの代表曲たちを惜しげもなく披露。だがもっとも印象に残ったのは、中盤に鳴らした甘くファンキィなミディアム・バラードの新曲「ソウル・コア」だった。「ハードコアとソウル・ミュージックを足して歌ったら、ラヴソングになっちゃって」と山口(Vo)は笑ったが、そもそも愛とは「極限に達した行き場のない魂の叫び」ではなかったか? 彼らの表現の本質を見事に突いた新たなスタンダード・ナンバーの登場に、とても幸福な眩暈を覚えた。

もちろん、続くTHE BACK HORNも負けてはいない。圧倒的な音圧とソリッドな音色で光と影、陰と陽のコントラストを鮮烈に描き出す、あたかも熱を孕んだまま覚醒してしまったような最新作『パルス』の世界観はそのままに、彼らは駆け抜けるように鮮やかな刹那を次々と紡ぎ出してゆく。特に「世界を撃て」「罠」などヘヴィでニューウェイヴな新曲を軸とした序盤、そして常にスピード感を変化させながら疾走する終盤「蛍」「声」「コバルトブルー」における衝動の波は、確かな<パルス>を強く脈打たせていたように思う。

ある意味、サウンドの嗜好は正反対と言っても過言ではない2組である。だがこうして対バンとしてカップリングされた時、不思議にも一つの共通点が浮かび上がってくる。そう、それはあまりにまっすぐに想いを鳴らす、その清々しいまでに気高き<不器用さ>なのだ。そしてそれは、まさに「IT'S ONLY ROCK'N ROLL」な瞬間と呼ぶにふさわしいものだった。 終演後の会場では、待望の第4弾の開催決定もアナウンスされた。詳細は近日発表とのことだが、ファンにとってもシーンにとっても大きな財産となるであろう、HOT STUFF PROMOTIONによる新たなカップリングの登場を楽しみに待ちたい。

サンボマスター
  1. 青春狂騒曲
  2. ひかりひとしずく
  3. 二つの涙
  4. 歌声よおこれ
  5. ソウル・コア(未発表曲)
  6. 光のロック
  7. 美しき人間の日々
  8. 世界はそれを愛と呼ぶんだぜ
  9. そのぬくもりに用がある
  10. 愛しさと心の壁
THE BACK HORN
  1. 世界を撃て
  2. ブラックホールバースデイ
  3. 白夜
  4. ひょうひょうと
  5. 泣いている人
  6. コバルトブルー

 en.無限の荒野

text:藤井道郎(ライター/エディター) photo:松本誠司