Shake Your Hips  
2009/4/10 赤坂BLITZ
筋肉少女帯 × ミドリ
 
 ホットスタッフ・プロモーション30周年記念イベントのなかでも“Shake Your Hips”は、“異端バンドの異世代対決”と言える組み合わせだ。関西アンダーグラウンドシーンから飛び出したゼロ世代バンド・ミドリと、2006年に活動を再開し、昨年デビュー20周年を迎えた筋肉少女帯。どちらも強烈な個性を持つ百戦錬磨のライブ強者とあって、イベントは終始熱気に満ちていた。

 先攻はミドリ。セーラー服姿の後藤まりこ(Vo./G.)を囲むように、ステージ下手(向かって左)から円を描くようにドラム/アップライトベース/キーボードの男性陣が並ぶ。1曲目の「お猿」は、誰もが知っている童謡「お猿のかごや」のフレーズを織り交ぜた和風ジャズ・パンクナンバー。メンバーは初っ端から踊り狂わんばかりのパフォーマンスを見せつけ、オーディエンスの興奮も一気に上昇していった。
 小柄な後藤まりこは、時折、少女のような可愛らしい歌声を聴かせたかと思えば、マイクを自分の頭に叩きつけ、鬼気迫る表情で叫びまくる。キラーナンバー「あんたは誰や」では、ステージ上手(向かって右)のスピーカーによじ登り、観客を煽りまくっていた。パンクの破壊的な初期衝動を、ジャズ・エッセンスとミドリ流ポップの味付けで昇華させていく、そのアヴァンギャルドなサウンドと圧倒的なステージングは一瞬たりとも目が離せない。
 ラストの「swing」は、フロアからステージに向かって無数に伸びる手の海へ、後藤まりこが背後からダイヴ。他のメンバーも本能に赴くままのパフォーマンスを見せ、会場をスリリングかつカオティックな空間に変えていた。今、音楽ファンから熱い視線を集める彼らの注目の高さに納得出来る衝撃的なライブを見せつけた。  

 続く筋肉少女帯は“オーバー40・ハードロックバンド、筋肉少女帯です!”という大槻ケンヂ(Vo.)のMCからスタート。疾走メタルチューン「イワンのばか」のオリエンタルなギター・イントロが始まれば、オーディエンスは拳を突き上げ、会場全体が“oiコール”で包まれる。ハードロック/ヘヴィメタルを基調とした貫禄あるサウンドに、大槻ケンヂのロック魂を爆発させた歌声、サポートキーボーディスト・三柴理が奏でる美しいピアノの旋律が渾然一体となり、次々と懐かしい名曲を披露していった。
 大槻は、ステージ転換中に流れていたローリング・ストーンズのライブ映像ネタを織り交ぜながら、ホットスタッフの30周年を意識したMCでオーディエンスの心を掴む。長い芸歴で心得た“盛り上げ”のマナーで、観客を楽しませるエンターテインメント精神はさすがである。 「人間嫌いの歌(Band ver)」では、オーディエンスが“人間ってやだな!”とシンガロングし、「踊るダメ人間」では手をバッテンにさせた“ダメジャンプ”で会場を揺らす。ある意味、奇妙な光景かもしれないが、筋少流の一体感は凄まじいものがあった。
 ラストの「ツアーファイナル」は、バンド復活後に生まれた壮大かつヘヴィなロックナンバー。過去のキラーチューンだけでなく、新曲でもオーディエンスを盛り上げることが出来るのは、筋少ならでは。バンドの再復活が懐古的なものではなく、今もさらなる輝きを放ち、ますますバンドが加速していることを証明していた。

 アンコールのお呼び出しに登場した筋肉少女帯は、ミドリのメンバーも呼び入れ、なんと「僕の宗教へようこそ」のスペシャルセッションを披露! 後藤まりこのヴォーカルは楽曲に彩りを加え、ハジメ(Key.)は、三柴理とのツインキーボードに感無量の様子。岩見のとっつあん(Ba.)と小銭喜剛(Dr.)も、独特なコーラスと宗教めいた怪しい動きでセッションを盛り上げていた。

 大槻がMCで話していたが、まるで“ナゴムレコードの総決起集会”のように異彩を放つ刺激的なイベントだったと思う。そして、ジャンルやスタイル・世代も違う2バンドの共演を実現させたホットスタッフの歴史の重みを感じずにはいられなかった。




ミドリ
  1. お猿
  2. うわさのあの子
  3. ゆきこさん
  4. ハウリング地獄
  5. あたしのお歌
  6. さよなら、パーフェクトワールド。
  7. 声を聞きたいのですが、聞こえないのです
  8. 愛のうた
  9. 獄衣deサンバ
  10. あんたは誰や
  11. swing

筋肉少女帯
  1. イワンのばか
  2. 日本印度化計画
  3. カーネション・リインカーネーション
  4. 労働者M
  5. 人間嫌いの歌(Band ver)
  6. 踊るダメ人間
  7. ハッピーアイスクリーム
  8. 釈迦.
  9. ツアーファイナル

 en1.
 僕の宗教へようこそ
 w/ ミドリ

text:細田聖子  photo:堀清英