She's A Rainbow  
2009 / 6 / 12 , 13 , 14 東京グローブ座
6 / 12 (FRI) 土岐麻子 × 湯川潮音  
6 / 13 (SAT) 古内東子 × moumoon
6 / 14 (SUN) つじあやの × 遊佐未森
 
ホットスタッフの設立30周年を記念したイベントの第9弾は、3夜連続で行われる女性アーティストにクローズアップした2マン形式。
初夜は、昨年末に公開された映画「ピーターパン」の日本語吹き替え版のテーマソングを務めた湯川潮音と、今年の1月にニューアルバム『TOUCH』をリリースした土岐麻子の2人だ。

客電が落とされるとブルーの光のなか、まず登場したのは湯川潮音。演奏が始まるとおもむろに履いていたハイヒールを脱ぎ、身体全体でリズムに乗るように足首につけていた鈴を鳴らしリズムを刻む姿が印象的な「しずくのカーテン」でライブがスタートした。

最初のMCで「湯川潮音です。3デイズのトップバッター。ホットスタッフさんには本当にお世話になってまして、こうやって呼んでもらえて嬉しいです。最後まで楽しんでいってください」と語ると、ボイスパーカッションで刻んだリズムをサンプリングして演奏を乗せていくというユニークな手法の「巻貝とわたし」を披露。

中盤には最近彼女が長崎の五島列島に行った際にインスピレーションを受けて作ったという未発表曲「ルビー」や、彼女がとても落ち込んでいるときに作った「明日になれば」などをエピソードとともに披露し、エレクトロニカ調の「キルト」でライブを閉めた。

途中、15分の休憩を挟み再び会場が闇に包まれると、ローリング・ストーンズ「She's A Rainbow」にのせ、ゲストミュージシャンが登場し「Norwegian」の前奏をスタートさせると土岐麻子がアジアンリゾートを思わせるパンツスタイルのドレスでステージ中央へ。続けて2曲目「わたしのお気に入り」に突入するも、「自分の曲なのに思い出せない!! 」というアクシデントが発生し、あとで披露することに。

そしてそのままMCに突入すると「今日は本当に幸せです。短い時間ですがお付き合いください」と述べ、「She Don't Use Jelly」や「Waltz for debby」などのカバー曲を次々と歌い上げた。

そして「ソロアルバムを初めて出した時に収録して、改めてアレンジを加えた」という「ブルー・バード」や冒頭でアクシデントが起こった「私のお気に入り」を再度歌い上げ、いよいよ終盤に。

「6月だから雨が降っているかと思って用意した曲です」と彼女が曲紹介してスタートした「Singin'In The Rain」を披露すると最後に感謝を述べ、観客の手拍子に合わせた「Brake Out」で会場が一体となりライブは終了。

あたかも天に祈りをささげるような歌声の湯川潮音とJAZZテイストの土岐麻子。いずれも2名のゲストミュージシャンだけを携えるというシンプルな編成の演奏で、その歌唱力をより堪能できた貴重な夜であった。



湯川潮音
  1. しずくのカーテン
  2. 巻き貝とわたし
  3. ルビー
  4. かたち
  5. No Surprises
  6. Cycle
  7. 明日になれば
  8. 朝が終わる前の花
  9. キルト
土岐麻子
  1. Norwegian
  2. 私のお気に入り
  3. She Don't Use Jelly
  4. How Beautiful
  5. Waltz for debby
  6. ブルー・バード
  7. Singin' In The Rain
  8. Break Out

text:翔ブラザース photo:堀清英
 
3日連続で行われる30周年イベントの2日目。 最初に登場したのは女性ボーカルYUKAと、ギターの柾昊佑によるユニットmoumoon。まずは、YUKAがタンバリンを軽やかに鳴らしながら、伸びやかなボーカルで「Do you remember?」を披露してコンサートはスタートした。

普段はポップスを中心にロックな楽曲も演奏する彼らだが、この日はアコースティックライブを展開。柾の柔らかなギターサウンドに、YUKAがしっとりとしたボーカルをのせて歌いあげた「Cindellera」、空にまで突き抜けるような歌声でロマンチックに聴かせた「Tiny Star」で観客を魅了してゆく。そして、大好きな人にありがとうと伝えたくて書いたという「more than love」では、途中でYUKAが感極まって声を震わせて涙目になりながら歌うシーンも見られ、上ずりながらも頑張って声を出す姿が印象的だった。その直後のMCでは「心が揺さぶられて、声が上ずっちゃいました」とYUKAが話すと、ファンからは「大丈夫?」という優しい言葉が投げかけられて会場は温かな雰囲気に包まれてゆく。

そして、そんなファンも含め人との出会いをつづった「一期一会」を歌い上げ、続けてYUKAが、赤いギターを演奏しながら「Flowers」を熱唱すると、彼らのステージはいよいよクライマックスに!

「My self」でダイナミックなピアノとギターの音色に合わせて、ハイトーンの美しいボーカルを響かせると、最後は「good night」を観客のクラップの中で明るく歌い、「最後まで楽しんでいって下さい、また逢いましょうね」と言葉を残してステージを後にした。

そして15分ほどの小休憩の間にセットチェンジが行われると、暗闇のステージにはグランドピアノ一台のみの影が。わずかばかりのスポットライトが点灯すると、真紅のドレスをまとった古内東子が登場し、そのままイスに座って「歩き続けよう」を叙情的に歌い上げた。

ポップでハートフルなアコースティックライブを展開したmoumoonとは対照的に、古内は大人の恋愛を歌うラブソングが満載の、ピアノでの弾き語りライブを繰り広げる。

MCでは「雨が降るだろうと思って、雨の曲を用意してきたんですが降りませんでした」と言って観客を和ませると、続けてその雨の2曲「雨降る東京」と「雨の水曜日」を披露。特に、思いを寄せる人とのアイアイ傘が出来て嬉しい気持ちと、また、こんな日がくるように雨になればいいのにというせつない気持ちとの葛藤をブルージーに歌い上げた「雨降る東京」は彼女の気持ちが十分に伝わる内容だった。

その後も、彼女のいる男性への片思いをせつなく描いた「星空」で、「好き」と言えない苦しさを情感を込めて歌い上げるなど、女性の視点から描かれた恋愛ソングを繊細な歌声と美しいピアノで紡いで披露してゆく。

そして、本編最後もラブソング。好きだけど微妙な心のすれ違いで素直になれず逆の行動をとってしまう女心を描いた「誰より好きなのに」をつややかな歌声でゆっくりと歌い上げて本編の幕を閉じた。 アンコールでは、“パンテーン”のCMソングとしてもおなじみの「Beautiful Days」を披露。彼女の代表曲の一つでもあるこの曲に、オーディエンスも手拍子を打つ中で優しい歌声で最後まで観客を楽しませてくれた。 YUKAの透明感のあるボーカルと柾の温かみあふれるギターでほんわかとした癒し系moumoonのライブと、大人の女性の等身大の恋愛感を赤裸々に歌い紡いだ古内東子のライブ。雰囲気の全く異なる2組の競演に観客は酔いしれたハズだ。



moumoon
  1. Do you remember?
  2. Cindellera
  3. Tiny Star
  4. more than love
  5. 一期一会
  6. Flowers
  7. My self
  8. good night
古内東子
  1. 歩き続けよう
  2. 逢いたいから
  3. 雨降る東京
  4. 雨の水曜日
  5. 星空
  6. 歩幅
  7. 誰より好きなのに

 en1.Beautiful Days

text:翔ブラザース  photo:堀清英
 
ホットスタッフ設立30周年を記念して行われた、女性アーティストたちが3日間連続で出演するスペシャルライブの最終日。この日は、ウクレレの弾き語りが印象的なつじあやのと、1988年にデビューして以降、その透き通るようなボーカルでファンを魅了し続ける遊佐未森の2人がパフォーマンスを行った。

まずは、ピンク色のワンピースに身を包んだつじあやのがステージ上に姿を現した。鳴り響く拍手の中、音を確かめるように“ポロロン♪”とウクレレをひと鳴らし。「えー、つじあやのです。よろしくお願いします。1曲目は今の季節にぴったりな曲から」と始まったのは、「お天気娘」だ。心地よいウクレレの音色と、彼女の伸びのあるボーカルが会場を優しく包み込んでいく。「ちょっとみなさん、緊張した感じの立ち上がりで……(笑)。東京グローブ座という、いつもとは違った雰囲気だから私も緊張してます(笑)」と、1曲歌い終え、はにかみながらのMCだ。「次は昨年9月に『COVER GIRL 2』というカバーアルバムをリリースしたんですけど、その中から荒井由実さんの『ルージュの伝言』という曲をやらせていただきます」と、あの誰もが知っているでいるであろう名曲を披露!しかし、そこはつじあやの流で、ウクレレでの弾き語りスタイルでの演奏となった。3曲目の「君にありがとう」の後、ウッドベースとピアノも加わり、「そばにいるから」など分厚く広がりのあるサウンドをバックにしながら歌唱。続く「パレード」では、しっとりと鑑賞している観客に向かい、手拍子を要求。すると観客は“待ってました!”とばかりに、軽快なリズムに合わせた手拍子が会場中に鳴り響く。さらにその後、昔からずっと歌っていたという「風になる」や、ツアー先のホテルで書いたという「揺れる夜、愛に抱かれて」を歌いきると、「次は遊佐未森さんです。楽しんで行ってください。今日はありがとうございました!」と一礼。ラストは、先の『COVER GIRL 2』にも収録されていた「戦場のメリークリスマス」だ。壮大なメロディとサウンドとともに、放たれる心地いい歌声に観客は酔いしれた。

約15分後、セットチェンジを終えてまずは2人の演奏部隊が登場し、遅れて主役の遊佐未森がピアノの前にスタンバイ。先ほどのつじと同じような鮮やかなピンクのドレス風衣装を着ている。トップナンバーは「カナリア」から。緩やかなビブラートを効かせた美しいファルセットとピアノの旋律に、初っ端から耳を奪われる。「次の曲はですね、半ノラネコの“クロ”のことを歌っていて、NHKの「みんなのうた」にもなっていた曲です」と、うって変わってスキップしたくなるようなポップナンバー「クロ」、フルートが奏でる飛び跳ねるサウンドが印象的な「ショコラ」、「アジサイがテーマになっているのでこの季節にぴったり」という「ミナズキ」を歌った。中盤には懐かしい昭和歌謡「銀座カンカン娘」も飛び出し、サビの部分をみんなで大合唱! 「みんなありがとう」と彼女も返し、温かな時間が流れていった。最後は手拍子の中、ノリノリなナンバー「オレンジ」を歌い終え、ひとまず退場。アンコールではつじを呼び込み、「私たちの衣装、似てるね(笑)」と遊佐が会場の笑いを誘った。そして、2人の絶妙なコーラスを聴かせてくれた「青春サイクリング」を歌いきり、2人は会場を後にした。

つじあやのと遊佐未森というこれ以上ないくらい、音楽的にも人柄的にもナチュラルな2人。そんな2人から温かな“ガールパワー”を見せつけられたライブであった。



つじあやの
  1. お天気娘(引き語り)
  2. ルージュの伝言(引き語り)
  3. 君にありがとう(引き語り)
  4. Fly High
  5. クローバー
  6. そばにいるから
  7. パレード
  8. 風になる
  9. 揺れる夜、愛に抱かれて
  10. 戦場のメリークリスマス

遊佐未森
  1. カナリア
  2. クロ
  3. ショコラ
  4. ミナズキ
  5. 銀座カンカン娘
  6. I'm here with you
  7. オレンジ

 en1.青春サイクリング
 with つじあやの

text:翔ブラザース photo:堀清英