"out of our heads"ライブレポートUP!!
(09.7.14 更新)
音楽チャンネル MUSIC ON! TVで 8/23(日) 19:00-20:00 オンエア決定!!!
(09.7.6 更新)
2009/2/26 恵比寿ザ・ガーデンホール
クレイジーケンバンド/ピンキーとキラーズ/リリー・フランキー
「僕が一番年下というイベントも、なかなかないですよ。お客さんも含めてね」
ステージに登場したリリー・フランキー(45歳)がやわらかなトーンで話し始めると、客席は落ち着いた笑いに包まれる。おそらく、普段はライヴ会場に足を運ばないと思われる年齢層。その空気を察して、「キラーズを意識した」ダービーハットをかぶり、笑いを交えたトークを多めに展開していくリリー。とはいえ、歌う曲は内省的なメッセージソングで、自殺志願者との対話「ジェイミー」や、自らのウツ病体験を綴った「バラ」などを、ヴァイオリンを加えたロックバンドを従え、70年代のフォークシンガーのような佇まいで渋い声を振り絞って歌う。頭脳警察のカヴァー「さようなら世界婦人よ」を含め、全4曲と短かったが、一番手の重責を果たす雰囲気たっぷりのステージだった。
続いてステージに姿を現したのは、昭和の伝説・ピンキーとキラーズ。まずはピンキーこと今陽子が颯爽とステージに登場し、セルジオ・メンデスの「マシュケナダ」を華麗なステップを踏んで歌いだす。声の艶も張りも、まさに絶好調。そしてラテンの味付けを施したビートルズの「デイ・トリッパー」に乗り、オリジナル・メンバーのキラーズが登場すると客席からは盛大な拍手が。最年長・ジョージ浜野は72歳ということで、全員が矍鑠たるとはいかないものの、息の合ったステップとアルトのコーラスが何とも粋でお洒落だ。ヒットメドレーに続いて披露した「涙の季節」はボサノヴァ、特大ヒット「恋の季節」はブルース・ロック調で、音楽性の深さに驚いた若い観客も多かったのではないか。「みなさんがこの歌で幸せになって頂けますように」という言葉とともに、最後は「見上げてごらん夜の星を」でしっとりと、華やかで楽しいステージを締めくくってくれた。
そして異色の3組が揃ったイベントのトリは、東洋一のサウンドマシーン=クレイジーケンバンド。オープニングSEとアクション、総勢12名が奏でるサウンドの大迫力はいつも通りだが、横山剣の少年時代を綴った自伝的ナンバー「コロ」を歌ったあと、「この曲の背景にはピンキーとキラーズがいるんです」とひとこと。ボサノヴァを得意とするキラーズに合わせてマルコス・ヴァーリの「ブラジルの神」を演奏するなど、今日のメニューは一味違う。心から嬉しそうな、横山剣の姿を見るのが実に楽しい。新曲「山の音」も披露し、後半でおなじみの「香港グランプリ」をやる頃には客席も総立ち。貫禄たっぷりの50分だったが、お楽しみはまだ終わらない。
アンコールではリリー・フランキーを呼び、リリーがギターを弾く「タイガー&ドラゴン」を。続いて今陽子が登場して、「昭和にワープだ!」という歌詞が胸に沁みる「葉山ツイスト」をノリノリで共演。さらにクレイジーケンバンドのみで「生きる」を歌い、「生涯現役ですよ!」という横山剣の力強い言葉を残して、本日のショーはすべて終了。ジャンルを超えた音楽の素晴らしさと共に、生きていることの素晴らしささえも実感する、濃密な3時間だった。
リリー・フランキー
ジェイミー
フジオ
バラ
さようなら世界婦人よ
CRAZY KEN BAND
零
愛の世界
コロ
ブラジルの神
山の音
デトロイト音頭
California Roll
香港グランプリ
横顔
en1.
タイガー&ドラゴン
w/リリー・フランキー
en2.
葉山ツイスト w/今陽子
en3.
生きる
ピンキーとキラーズ
マシュケナダ
デイトリッパー
ピンキラヒットメドレー
七色のしあわせ〜風の季節〜土曜日は一番〜星空のロマンス〜青空に飛び出せ
涙の季節
恋の季節
見上げてごらん夜の星を
text:宮本英夫 photo:堀清英